※目次
こちらの映画は、漫画家・三部けいが輩出した大ヒット作「僕だけのいない街」を実写化したサスペンス作品となっております。
主人公である藤沼悟を演じるは、藤原竜也。彼は「リバイバル」と呼ばれる特殊能力の持ち主で自分の周囲で事件が発生するとその事件を未然に防ぐ為に時間が巻き戻されてしまいます。また、これは任意で出来るモノではなく自分の運命的な物事にだけ発揮されるという不思議な特殊能力でもありました。さらに、時間が巻き戻されても結果が失敗に終われば事件が解決するまで時間が巻き戻されてしまうのです。
そして、ある事件がきっかけで最愛の母・佐知子(石田ゆり子)が死んでしまった事により、悟はその特殊能力で少年時代にタイムスリップするのでした。そこには、大切な人を守る悟の自己犠牲もいとわない優しい心があったのです。その他にも有村架純、杉本哲太、及川光博の演技にも注目です。
<個人評価点>
満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星7
<記事読了時間>
約5分
※1部ネタバレ有り
リバイバル
時は2006年。ピザ屋のアルバイトをする傍ら、鳴かず飛ばずで一向に芽が出て来ないけどもとひたすら漫画家を目指している藤沼悟(藤原竜也)という1人の青年がおりました。ある日、ピザ屋で同じくアルバイトをする同僚・片桐愛梨(有村架純)からピザを渡され、客の元へとバイクで向かった道中でリバイバルが起きてしまいます。
交差点にいた1人の少年がトラックにはねられてしまうのです。そして、突然起きたリバイバルによって時間を巻き戻した悟は、少年を無事助ける事に成功しますが今度は自分が走ってきた車に轢かれてしまうのです。その後、搬送された病院先で目が覚めると目の前に愛梨がいました。そして「よくあそこで子供が危ない事に気付いたよね?なんで?」と言われ、適当にごまかすのでした。
奇跡的に軽傷で済んだ事により、すぐにアパートへ帰宅するとそこには車に轢かれた息子を心配して田舎の北海道から飛び出してきた母・佐知子(石田ゆり子)の姿がありました。また、完治するまで心配だからしばらくはこのアパートに留まる事にすると言ってきます。せっかく来たんだから観光もしたいという母の想いもありました。
母の突然死
母の買い物に付き合わされた悟は、そこでまたリバイバルが起こってしまいます。しかし、今度は何故起こったのかが分かりませんでした。そこで「母さん!周りで気になる事がない?」と母を使います。すると、言われるがまま周辺を見渡した佐知子はここである人物を発見し、その人物が1988年に起こった連続幼女殺人事件の真犯人であると気づいたのです。また、息子にはあえてそれを伝えずその場を一旦離れ、携帯を手にして「私、あの時の真犯人が誰なのか分かったかもしれない」と電話の相手に言ったのでした。
その後、同じ場所で偶然居合わせた愛梨に佐知子は「晩御飯一緒に食べようよ?」と誘い、3人揃って悟のアパートへと帰宅します。女心から愛梨が密かに悟に好意を抱いている事に佐知子は気付いておりました。そして、数日後悟に「あの時の事件の事を覚えている?」と軽く呟いた佐知子。うっすらとしか覚えていない悟は、気になったので1人本屋へと向かい昭和の事件史を読み、北海道の石狩で起きた連続幼女殺人事件の概要を知る事となります。
しばらくして家に帰宅するとそこには包丁で刺された佐知子が横たわっていました。母の突然死によって「なんでリバイバル起きないんだ!」と泣き叫ぶ悟は、携帯で救急車に母の救助を依頼しますがその時窓の外から犯人と思われる人間の物音がした為、必死でその後を追いかけるのですが・・・。自分の手のひらが母の血で染まっており、母を殺した犯人と勘違いされてしまうと思った悟は、警察の追っ手から逃げますが追い詰められた所で再びリバイバルが起こるのでした。
タイムスリップ
今度のリバイバルはいつもと違いました。意識は現代のままで1988年の自分の小学生時代へとタイムスリップしたのです。この時、悟は直感しました。母の死は、連続幼女殺人事件と関係しているのではないか?殺された同級生の雛月加代(鈴木梨央)を守って事件を未然に防げばいいのではないのか?と。
加代は、不登校を繰り返す問題児でした。担任の先生である八代学(及川光博)もそんな加代を心配しておりました。そして、加代を意識して行方を追い続ける悟は、加代が母親から毎日のように虐待を受けている事を突き止めます。さらに、加代と何度か接触して徐々にお互いの親交を深めた悟は、自分の誕生日会がある3月2日に加代も招待したのでした。それは、加代が殺された日が3月2日だったからでした。
迎えた自分の誕生日。加代は、ちゃんと来てくれました。自分の親友達も加代に親切にしてくれます。また、誕生日会の前日に八代から「加代も誕生日が3月2日なんだよ」と聞かされていた悟は、加代に毛糸の手袋をプレゼントします。そして、誕生日会が終わった後、母の佐知子と共に加代を自宅へと送った悟は、安堵しました。しかし、次の日学校に加代が来ません。気になった悟は、加代の家へと急ぐとそこにはゴミ箱に捨てられた自分がプレゼントした手袋と加代の服がありました。ここで現代へとタイムスリップします。
失敗は許されない
現代に戻って再び事件史を見ると加代は、次の日の3月3日に殺された事になっていました。ということは、母が殺害されている事も覆っておりません。「やり直したい!」と切に願う悟でしたが、リバイバルは起きてはくれませんでした。警察にも依然として追われる悟。しかし、そんな悟にも協力してくれる1人の人間がおりました。悟に心を寄せる愛梨です。愛梨は、警察に追われる悟を自宅の寮に匿ってくれました。
ですが、そんな2人にさらなる悲劇が訪れます。愛梨の自宅が何者かによって焼き討ちされてしまうのです。なんとか愛梨を救い出した悟でしたが「なんで愛梨まで狙われるんだ?最近、身近で怪しい人を見なかったか?」と愛梨に聞いた悟は「西園先生という人が最近頻繁にピザ屋に現れた」と愛梨から聞き出します。「西園とは、一体誰だ?」と考え込む悟。そして、2人は隠れ家でもあった橋の下で落ち合う事を約束します。
その後、橋の下で愛梨を待つ悟。約束通り愛梨が現れ、安堵の表情を浮かべた2人でしたが、愛梨が警察の尾行に気付いていなかったのでした。そして、ついに悟は警察に母親殺害の疑いで逮捕されてしまいます。「悟さんは、無実です!」と叫ぶ愛梨。ここで悟に最後のチャンスとも言えるリバイバルが起こるのでした。「もう、失敗は許されない」と不屈の覚悟で自分の誕生日会後の加代と別れた時間へと戻る悟。しかし、この先には何とも言えない結末が待っていたのでした。未来を変えるという事は、愛梨との関係も無くなってしまうのです。そして、自分の運命をも( ゚Д゚)
※藤原竜也映画の前記事