※目次
こちらの映画は2018年度アカデミー賞に輝いたスティーブン・スピルバーグ監督渾身の作品となっております。アメリカによるベトナム戦争時に実際起きた「最高機密文書流出事件」を元に、情報の流出を阻止するアメリカ政府とベトナム戦争の真実を国民に伝える為に、アメリカ政府と戦った出版者達の物語となっております。
己の生活と会社の生命を掛けて国民に真実を伝える事を選択した出版会社ワシントン・ポストの株主であるキャサリン・グラハムを演じるはメリル・ストリープ。
同じく己の生活を掛けて会社の知名度と業績を上げる為にこの真実を世間に広げる事を提案したワシントン・ポスト編集主幹であるブラッドリー・ベンを演じるはトム・ハンクス。
この映画の1番の見どころと言えば、ハリウッドを代表する2人の名俳優が、実際起きたこの実話をどのように表現し、どのように演じたのかだと思います。
<個人評価点>
満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星6
<記事読了時間>
約4分
※1部ネタバレ有り
1965年ベトナム戦争
守るベトナム兵の「ゲリラ戦法」に、大苦戦し敗北を重ねるアメリカ軍。国防総省所属のダニエル・エルズバーグは、戦地に赴き現在のアメリカ軍の状況について1つの報告書にまとめておりました。
そして、報告書をまとめ上げたエルズバーグはアメリカへ帰還する為、飛行機に乗ります。しばらくして機内で国防長官であるマクナマラに現在の戦況を聞かれると「被害が甚大でベトナム戦争は絶望的な状況である」と伝えます。
しかし、アメリカに上陸し大勢の記者に囲まれたマクマナラは、エルズバーグの戦況報告を無視しアメリカ全国民に向け「戦争は順調である」と虚偽報告をしてしまうのでした。
ペンタゴン・ペーパーズ(最高機密文書)が流出
マクナマラの虚偽報告に失望したエルズバーグは、自分の良心に従い国防省施設にてベトナム戦争の真実が書かれたペンタゴン・ペーパーズ(最高機密文書)を金庫から盗んでは持ち帰り、仲間と共にコピーしたのでした。
一方、ワシントン・ポストの株主で経営者のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、会社の株式公開と株価について打ち合わせの日々を送っておりました。また、同会社編集主幹であるベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)とは仕事の事で時折口論を始め、ベンに「仕事の事で口を出さないで欲しい」と言われ凹んでおりました。
しかし、衝突あれど信頼を寄せあう2人の仲は良く公私混同で付き合いがある程でした。
ライバル会社ニューヨーク・タイムズ社
ある日ベンは、ニューヨークタイムズ社のやり手記者であるニール・シーハンが長い間記事を書いてない事に疑問を感じ部下を使ってその動向を探る事にします。ベンは、大変な野心家で常にタイムズ社よりも記事を先に書き、会社の知名度と業績を上げる事に重点を置いていたのです。
しかし、部下を直接タイムズ社に潜り込ませましたが「ニューヨーク・タイムズがビッグな記事を掲載するらしい」という情報だけしか得られませんでした。
そして迎えた朝、ニューヨーク・タイムズが大々的にベトナム戦争の記事を載せ、そこには「アメリカが真実を隠していた事」「最高機密文書の存在」等が書かれており、このビッグニュースによってタイムズ社に出し抜かれたと思ったベンは大激怒し、国防長官マクナマラと仲が良いとされるキャサリンに最高機密文書の入手をお願いするが断られます。
出版差し止め命令と重大な決断
ビッグニュースで一躍注目を集めたニューヨーク・タイムズ社でしたが、最高機密文書が漏洩したらまずいという事ですぐに政府にマークされてしまい、これ以上は違法行為と見なされ出版差し止め命令が下ってしまいます。
これをチャンスと捉えたベンは、すかさず記事の出所を調べエルズバーグが最高機密文書の鍵を握っていると知り、記者のバグディキアンが偶然エルズバーグの友人であった事で彼にエルズバーグの捜索を頼んだのでした。そして、エルズバーグとの接触に成功したバグディキアンは「絶対記事にし、国民に伝える」事をエルズバーグと約束し、最高機密文書を手に入れます。
早速ベンはこれを記事にする事を実行しますが、タイムズ社が差し止めを政府から宣告された事で分かる通り、記事を載せるには「計り知れないリスク」がキャサリンとベンを襲う事となります。もし、掲載すれば刑務所行き所か己の生活や会社の存続ですら危険な状態に成り得るからです。
また、ベンに記事の掲載を説得されたキャサリンは親友でもあるマクナマラから「絶対に辞めた方が良い。君も会社も必ず潰されてしまう」と警告されるのでした。
果たして、選択に迫られたキャサリンが下した「重大な決断」とは( ゚Д゚)
メリル・ストリープの主な代表作
クレイマー・クレイマー
マディソン郡の橋
プラダを着た悪魔
マンマ・ミーア!シリーズ
ジュリー&ジュリア 等