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映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の見どころ

※目次

 

こちらの映画は、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた宮沢りえと最優秀助演女優賞に輝いた杉咲花が贈る切なくも心温まる珠玉の作品となっております。

 

銭湯「幸の湯」を営む幸野一家でしたが、1年前に夫・一浩(オダギリジョー)が突然家出してしまい、女手一つで娘・安澄(杉咲花)を育てる母・双葉(宮沢りえ)は、夫がいないことで人手が足らず幸の湯を閉店してしまい、パートで生計を立てる毎日を送っておりました。

 

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また、そんな双葉に悪夢が訪れるのです。それは、膵臓癌からなるステージ4の末期癌でした。すでに肺や脳にまで転移しており双葉に残された余命は、僅か2・3か月。でも、双葉は最後の最後まで家族の事を想い諦めず、戦い続けるのでした。そこには、タイトルにもあるように双葉の熱い愛情があったのです。涙無しでは語る事の出来ない愛と感動の物語を貴方も是非堪能してみて下さい。

 

<個人評価点>

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9

<記事読了時間>

約5分 

 

※1部ネタバレ有り

 

イジメ

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1年前に夫・一浩が家出をしてから幸の湯を閉店しパートで生計を立てていた双葉は、苦しい日々を送りながらも一切の弱気も見せず、高校に通う1人娘である安澄を大切に育てておりました。双葉と安澄の関係も良好です。

 

しかし、安澄は学校で3人組の女子生徒にイジメられておりました。気の弱い安澄は、双葉に相談する事も出来ません。そのイジメはどんどんとエスカレートしていき美術の時間で安澄の制服が3人組によって絵具でぐしゃぐしゃにされてしまいます。急遽学校から呼び出しを喰らった双葉は、絵具まみれにされている自分の娘を見て初めてイジメられている娘の現状を知ります。

 

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また、安澄が「全て自分でやった」と供述するのを見て「怖くて言えないんだろうな」と察知した双葉は涙をこらえ「私は、赤が大好きよ!安澄は、何色が好き?」と言って娘を最大限に励ますのでした。

 

ステージ4の末期癌

 

翌日、双葉はパート先の職場で突然発作を起こし倒れ込んでしまいます。そして、搬送先の病院で血液検査やMRIといった精密検査を受けた双葉でしたが、担当医から耳を疑いたくなるような病状を伝えられるのでした。「貴方は、ステージ4の末期癌です。膵臓癌が原発巣となって肺や脳などに転移している。余命は、2・3か月である」と。

 

頭の中が真っ白になった双葉は、あまりの絶望感で幸の湯の空の浴槽の中で1人泣いてしまいます。無論、安澄に打ち明ける事も出来ません。そして、娘から電話がきて「お母ちゃん!お腹空いた!」の言葉で奮起し、強くあろうと心に決め1人立ち上がるのでした。幸野家には、毎年4月25日に静岡県・沼津市に住んでいる酒巻君江という女性からタカアシガニが贈られてきます。また、そのお礼の手紙を書くのは安澄だと決まっていました。後になってわかりますがそれは双葉のこだわりがあったのです。

 

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ちょうどその頃、夫の行方探しを依頼していた探偵の滝本(駿河太郎)という男から一浩の居場所を教えてもらいます。そして、時間が無い双葉は全てを忘れて一浩の元へと訪問し、自分の病と余命を伝え強引に幸の湯へと連れ戻したのでした。食卓に広がるしゃぶしゃぶ。何か特別な日はしゃぶしゃぶと幸野家では慣例になっておりました。「今日は、何かめでたい日だった?」と安澄は双葉に聞きます。

 

母親に捨てられていた過去

 

すると、後から鮎子という9歳の連れ子と共に一浩がその場に現れます。何が何だかわからない安澄。一浩は、浮気した女性と一夜の過ちで妊娠させてしまい、その時に出来た子供が鮎子だったのです。また。その女性は一浩と鮎子を捨てて家出していたのでした。しかし、双葉の苦労を知る安澄は、一浩に心を許しませんでした。鮎子もいつか必ず自分を迎えに来てくれるだろう母を想い、幸野家に馴染もうとしませんでした。

 

しばらくして安澄が学校で制服を盗まれてしまうといった事件が発生します。着替えが無く体操着を来た安澄は、3人組を筆頭に周囲から小馬鹿にされてしまいます。迎えた朝、余りのショックで学校に行こうとしない安澄を双葉は叱咤します。「このままじゃ絶対ダメ!強く生きるの!」と安澄に声を荒げた双葉は「私、お母ちゃんみたいに強くないもん!」と言われますが、必死で諭したのでした。

 

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実は、回想シーンでもあるのですが双葉も実の母親に捨てられていた過去があったのです。その経験から強くあろうと願い、安澄にもきっと出来るはずであろうと深い情熱があったからでした。その想いは伝わり、安澄は昼から学校へと向かいます。そして、勇気を振り絞って皆のいる前で体操着を脱ぎ、双葉から貰った下着だけ身に着けた状態で「体操着返して下さい」と皆に訴えかけるのでした。ストレスで一浩から貰った牛乳を吐いてしまい、保健室へと搬送される安澄。

 

その後、それを聞いた主犯の3人組は気まずくなり、安澄がいる保健室に制服をこっそりと置いていきます。制服を着て帰ってきた安澄を双葉は強く抱きしめたのでした。後ろで見ていた鮎子は、その光景を見てうらやましそうにしていました。鮎子は「来年の誕生日まで迎えに行く」という母親の手紙を信じ、誕生日の日にアパートへ訪れます。しかし、母親は来ません。双葉は鮎子の事も気にかけており、安澄を連れて鮎子の行方を追います。そして、1人その場でうずくまる鮎子を発見し、双葉は鮎子を強く抱きしめ抱っこして家に向かうのでした。

 

実の母親

 

絆を深めていく幸野一家。一浩は、苦労をかけてきた双葉に申し訳が立たず「何か俺に出来る事がないか?」と言います。すると、双葉から「新婚旅行でエジプトに行くって言ってたよね?連れてってよ!」と言われ、言葉を失います。双葉は、一浩が口だけだと分かっていて言葉を発し「私が死んだら全て許すから2人の面倒を見てね!」と約束を交わしたのでした。

 

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その後、双葉は赤いレンタカーで安澄と鮎子を連れて沼津へと旅行に出かけます。これは、双葉が生前にどうしてもやりたかった事でした。その道中のサービスエリアでヒッチハイクを自称する拓海(松坂桃李)という青年から「車に乗せて欲しい」と頼まれ、渋々承諾します。しかし、拓海は3人目の母を持ち実は目的地が無いといった自分探しをする訳アリ青年だったのです。それを見抜いた双葉は「最低な人を乗せてしまった」と拓海に意地悪しますが、別れ際に強く抱擁し「とりあえず北海道の最北端を目指して感想を聞かせてちょうだい!」と言い残し、拓海に目標を持たせたのでした。

 

拓海は、それに大いに感動し「必ず報告に参ります!」とその場を去ったのでした。迎えた夜、双葉は宿のトイレの中で吐血してしまいます。「お母ちゃん!大丈夫?」とドア越しに双葉を心配する安澄。翌日、沼津近郊の食堂でタカアシガニを3人で食べました。オーダーを受けた女性は、言葉を発する事が出来ず手話で応えてきます。食事を終えた双葉は、安澄と鮎子に「勘定するから先に車に戻ってて」と言いました。

 

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すると、突然双葉が手話をする女性の頬目掛けて強烈なビンタをします。一体、どうしたというのか?車に戻った双葉は、安澄に「あの女性が家にタカアシガニを送ってくださる酒巻君江さんよ。あの人、貴方の実の母親なの」と言ったのでした。母親から聞いた突然の言葉に酷く動揺する安澄。双葉の深い深い愛がそこにはありました。そして、迎える最愛の母・双葉との別れ。「死にたくないよ~行きたい!」と発した双葉の言葉で絶対泣いてしまうと思います( ゚Д゚)

 

 

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