※目次
義兄弟の誓い編・・・。
第25話 偽りの敗戦
※章邯
劉邦を軽視する項羽でしたが、ただ一人劉邦が持つカリスマ性を警戒する人物がおりました。その人物とは、白髪の軍師・范増でした。何故、劉邦の元に張良や蕭何(ショウカ)のような能臣であったり、樊噲(ハンカイ)や周勃(シュウボツ)のような豪傑が従っているのか?ひょっとしたら我々が知らない特別な何かを劉邦が持っているのではないか?と。
そこでまず范増は、離間の計を用いて張良を韓の国へと帰らせるように項梁に口添えして劉邦と引き離す事に成功します。また、劉邦の軍を独立させずに自軍へ取り込む為にも簡単に攻略出来る襄城(ジョウジョウ)を劉邦に攻略させて手柄を立てさせ、項羽の目に留まるように仕向けました。項羽に劉邦に対しての警戒心を植え付けさせるためでもありました。
しかし、范増の狙いを看破した劉邦は命じられた襄城攻めでわざと敗北したのでした。劉邦としても項羽とは友好関係を築きたい気持ちはありましたが、楚軍に吸収されたくなかったからです。
第26話 襄城での虐殺
※晨曦
項羽から襄城での敗戦の原因を詰問された劉邦は「虎には虎の戦い方、山ネズミには山ネズミの戦い方があるように我々には我々の戦い方があります。今度は、我々の軍だけで襄城を攻めさせて下さい」と。さらに、勝利する事が出来たら楚軍に吸収されないという条件付きで再び襄城を攻める事となりました。横で何故かそれを黙認する范増。
2度目の襄城攻めを開始する劉邦軍。そこに突然、秦軍1万人が援軍として現れ劉邦軍は窮地に陥ってしまいます。実は范増も援軍が現れる事を知っておりました。必ず負けるであろうと予測したので劉邦が項羽に詰問されていた時に黙認していたのです。しかし、負けてしまったら吸収されてしまう劉邦軍は決死の兵となり、辛うじて勝利をもぎ取ったのでした。
視界に広がる両軍のおびただしい犠牲者。秦軍の投降兵5千人を捕虜にした劉邦は「自軍の損害も甚大なので捕虜を自軍に取り込むべし」と説く蕭何の提案を却下し、項羽に疑われない為にも捕虜5千人と戦利品をそのまま項羽に差し出します。すると、項羽は「楚軍の旗を見て投降しなかった秦兵は、皆殺しだ!」とし、鐘離眜(ショウリバツ)に命じて捕虜5千人を虐殺したのでした。
第27話 閉じ込められた姫君
項家と各諸侯の台頭で反乱軍鎮圧が混着し始めた秦の将軍・章邯(ショウカン)。それが原因で章邯に対しての宦官・趙高の讒言が宮中で飛び交います。そんな中、何としてでも愛する章邯を趙高から救いたい晨曦(シンギ)は、思い切った行動に出る事となります。
それは、宦官・趙高の誅殺でした。趙高の右腕で身の回りのお世話をしている宦官の崇信(スウシン)に近づいて趙高と離間させ、崇信を利用して趙高を誅殺する計画です。しかし、これはとてつもなく厳しい賭けでもありました。趙高の取り巻きが厳重である事や崇信の心境が読めず味方に付いてくれるのかすら分からない状況だからです。
そこで晨曦は、まず崇信との対面からを第一とし彼のお抱えの宦官に接触してその男を賄賂で買収し、崇信との間を取り持ってもらえるよう催促しました。そして、買収した男から自分の屋敷で崇信が会ってくれるという返事を貰い、その男の屋敷へと足を踏み入れた晨曦でしたが・・・。趙高から貰える褒美に目が眩んだその男によって牢に閉じ込められてしまうのでした。
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